贈り物手帖
秋田県の名前の詩
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は11月29日に男鹿のなまはげなど8県10祭で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録決定しました。
なまはげの様に鬼の姿などをした来訪神が家々を回る伝統行事です。なまはげは7年前にも単体での登録を試みましたが、すでに重要無形民俗文化財に登録されていた鹿児島の「甑島のトシドン」と類似しているという理由で却下されてしまいました。それでもなまはげは諦めず、鹿児島の「トシドン」も含めた全国の神々に声を掛けメンバーを集めグループ(チーム)化。「来訪神Ⅹ(10)」が誕生。
※来訪神Ⅹはわたくしの勝手な命名ですが、実際に10神がヒーロー物としてキャラクター化されるのではと密かに待っています。
そして日本の来訪神十箇所で無形文化遺産登録申請が実現するのです。
盛り上がっている来訪神ですが、一方では存続の危機に直面しています。昔に比べて家に招く人が少なく、厄介と思う人もおり、来訪神に対する畏敬の念が薄れていることはとても悲しく、文化の衰退による教育の危機すら感じます。
わらが散らばりすぎる、コンプライアンスが、などと耳を疑うような内容がメディアでも飛び交います。家々から承諾書を取るというという地域もあるそうです(玄関まではOK、飲食NGだが部屋までOKなど)。家に入る前に「なまはげ入ります」…。
地域の結びつきや世代を超えた交流を深め、厄災を払い福をもたらす来訪神。私たちの工房がある臼杵市佐志生地区も直面している過疎化・限界集落化で担い手の確保が課題となっています。なまはげは本来独身男性のみが変身できる決まりですが、なり手が不足し、中高年層のなまはげばかりになってしまっています。
無形文化遺産登録によって「地域の人々の絆」として各地での保護の取り組みが進むことを期待しています。
来訪神メンバー